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言語デザイン研究所 検定WEBレポート
言語デザイン研究所は、多文化共生社会における言語政策の研究・実践、とりわけ日本語教育に関する支援を通じて、多様な文化の相互理解の進展に寄与することを目的としています。
【平成23年度】 試験Ⅰ 問題1 (1)~(8)
平成23年度「日本語教育能力検定試験」試験問題
公益財団法人 日本国際教育支援協会(凡人社)

平成23年度 試験問題 表紙


[問題1] ⑴~⑻


解答解説 一般社団法人 言語デザイン研究所(代表 泉 均)

【調音法】
⑴ 2
選択肢2のみ「鼻音」で、他は「破裂音」である。

1 〔有声 軟口蓋 破裂音〕
2 〔有声 両唇  鼻音 〕
3 〔無声 歯茎  破裂音〕
4 〔有声 両唇  破裂音〕
5 〔無声 軟口蓋 破裂音〕


【語頭子音の調音点】
⑵ 2
選択肢2「ティッシュ」の語頭子音の調音点は「歯茎」である。
他の選択肢は、少し後方にずれた「歯茎硬口蓋」である。

1 〔歯茎硬口蓋〕
2 〔歯茎
3 〔歯茎硬口蓋〕
4 〔歯茎硬口蓋〕
5 〔歯茎硬口蓋〕


【複合語のアクセント】
⑶ 1
前項の単独語のレベルでは、すべて平板型であるが、後項の要素と結びつくと、
選択肢1の「専門‐店」のみ中高型のアクセントに変わる。(Lは低、Hは高を表す)

1 〔せんもんてん (LHHLLL)〕
2 〔じゅうなんせい(LHHHHH)〕
3 〔きょういくてき(LHHHHH)〕
4 〔しょくじだい (LHHHH)〕
5 〔せつめいしょ (LHHHH)〕


【自他動詞の形態】
⑷ 3
選択肢3の自動詞「散る」のみ、他の自動詞と形態が異なる。
1 〔荒らす/荒れる〕
2 〔揺らす/揺れる〕
3 〔散らす/散る
4 〔慣らす/慣れる〕
5 〔垂らす/垂れる〕


【複合動詞の名詞化】
⑸ 4
選択肢4の複合名詞「立ち読み」は、対応する複合動詞がない。
複合動詞の名詞化という基準があるので、複合動詞を考えてみよう。

1 貸し出し 〔←複合動詞「貸し出す」〕
2 見落とし 〔←複合動詞「見落とす」〕
3 話し合い 〔←複合動詞「話し合う」〕
4 立ち読み *対応する複合動詞がない
5 書き直し 〔←複合動詞「書き直す」〕


【形容詞連用形の働き】
⑹ 1
形容詞連用形の「副詞的用法」(述語を修飾)であるが、
品詞がイ形容詞なのか、ナ形容詞なのかという判定では答えが出ない。

この場合、文の成分に「真剣に」が無くても文が成り立つ1が、他と異なる。

1 *省略可能
2 文の成分の一つとして働いている。
3 文の成分の一つとして働いている。
4 文の成分の一つとして働いている。
5 文の成分の一つとして働いている。
 

【複合動詞の意味】
⑺ 2
「~上げる」は、動詞の連用形の後に付いて複合動詞を作っている。
このとき、前の動詞を本動詞、後の動詞を補助動詞という。

選択肢2の「上げる」は、もとの動詞の意味合いが薄れている補助動詞的用法で、
他は、もとの意味が残っている本動詞的用法といわれるものである。

1 〔本動詞的用法〕
2 〔補助動詞的用法:~し終える。最後までそれを成し遂げて完成させる。〕
3 〔本動詞的用法〕
4 〔本動詞的用法〕
5 〔本動詞的用法〕
 

【指示詞の現場指示・文脈指示用法】
⑻ 4
選択肢4は、目の前にあるものを指している「現場指示用法」である。
他の選択肢は、話の中の要素を指示している「文脈指示用法」である。

1 〔文脈指示用法〕
2 〔文脈指示用法〕
3 〔文脈指示用法〕
4 〔現場指示用法
5 〔文脈指示用法〕



*お断り
①本稿の内容は,当研究所独自の見解であり,その内容について保証するものではありません。
②本ウェブサイトの使用ならびに閲覧によって生じたいかなる損害にも責任を負いかねます。
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【平成23年度】 試験Ⅰ 問題1  (9)~(16)
平成23年度「日本語教育能力検定試験」
公益財団法人 日本国際教育支援協会

[問題1] ⑼~⒃


解答解説 一般社団法人 言語デザイン研究所(代表 泉 均)

【形容詞の種類】
⑼ 1
選択肢1のみ「感情形容詞」である。
感情形容詞は、人の内面の状態を表す点で主観性の強い表現である。

普通、1人称(疑問文では2人称)をとるが、3人称の場合は「~がる」などを伴う。
これを「主語の人称制限」という。

1 〔感情形容詞
2 〔属性形容詞〕
3 〔属性形容詞〕
4 〔属性形容詞〕
5 〔属性形容詞〕
 

【「ために」の用法】
⑽ 5
選択肢5は、両親の「利益になる、役に立つ」という点で他とは異なる。
「子供の_を思う」「_になる本」と同じ用法である。

1 〔原因・理由、目的〕
2 〔原因・理由、目的〕
3 〔原因・理由、目的〕
4 〔原因・理由、目的〕
5 〔両親の利益になることの意
 

【複合要素の統語的関係】
⑾ 4
すべてデ格で関係づけられる〔名詞+動詞連用形〕の統語構造をもつ複合語。
選択肢4のデ格は、動作を行う場所を表しているが、他は、手段や道具・材料を表している。

1 〔手段・道具・材料〕 手デ→書く   
2 〔手段・道具・材料〕 砂デ→遊ぶ  
3 〔手段・道具・材料〕 鉄板デ→焼く 
4 〔場所〕        沖デ→釣る  
5 〔手段・道具・材料〕 酒デ→蒸す  
 

【「~ことにする」の用法】
⑿ 2
選択肢2は、実際には風邪を引いていないものを引いたものとする意味で使っている。
他は、決心や決意を表している。

1 〔方針を決める〕
2 〔みなす
3 〔方針を決める〕
4 〔方針を決める〕
5 〔方針を決める〕


【内の関係・外の関係】
⒀ 4
内の関係とは、連体修飾節の動詞とその直後の被修飾名詞が、格助詞で関係づけられること。
しかし、選択肢4は、そのような関係にない外の関係であり、連体修飾節は「音」の内容を表している。

「内の関係」にある連体修飾節を、「関係節」ともいう。
「外の関係」にある連体修飾節を、「内容節」「同一節」ともいう。

1 〔内の関係〕 箱→入れる    
2 〔内の関係〕 本→読んだ    
3 〔内の関係〕 公園→会った   
4 〔外の関係〕 階段を下りる=音:「下りる」と「音」に格関係がない 
5 〔内の関係〕 人→遅刻した   
 

【「の」の用法】
⒁ 5
「の」に後続する名詞との関係をみると、選択肢5は、所属を表している。
他は、すべて同格の関係を表している。

1 〔同格〕 出身地=大阪
2 〔同格〕 同級生=山下君 
3 〔同格〕 首都=東京   
4 〔同格〕 妹=桂子    
5 〔所属〕本社>田中さん 
 

【使役表現の用法】
⒂ 5
使役表現は、積極的な働きかけがある「強制」と事態の生起の「放任・許容」に大別される。
しかし,選択肢5には,使役主,動作主ともに意志性はなく,不本意な結果を招いている。

1 〔強制〕
2 〔強制〕
3 〔強制〕
4 〔強制〕
5 〔成り行き(不本意な結果)〕
 

【動詞の性質によるタの解釈】
⒃ 1
選択肢1以外は、動作・作用の結果の状態が存続していることを表している。
従って、タ形の時間的観念が薄れ、状態を表すテイル形に近くなっている。

1 〔過去(存在)〕
2 〔状態(変化の結果)〕
3 〔状態(変化の結果)〕
4 〔状態(変化の結果)〕
5 〔状態(変化の結果)〕
 



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【平成23年度】 試験Ⅰ 問題2
平成23年度「日本語教育能力検定試験」
公益財団法人 日本国際教育支援協会

[問題2]


解答解説 一般社団法人 言語デザイン研究所(代表 泉 均)

⑴ 3

誤用:「直筆」(ちょくひつ)〔漢字の読みの誤り〕
正用:「直筆」(じきひつ)
                 
1 「荷物」(にぶつ
2 「都合」(ごう)
3 「楽器」(がくき)   →*がっき〔促音化の誤用〕
4 「正月」(しょうげつ


⑵ 4

誤用:「風邪を引くからでした。」〔タ形にする対象の誤り〕
正用:「風邪を引いたからです。」

1「彼女は先週、国に帰るらしかったですよ。」 
2「え!? ちゃんとメールで送るはずでしたが。」
3「いいえ、今までに3回来ることがありました。」
4「友達と映画に行くつもりでした。」 →*文末のタ形の誤り


⑶ 1

誤用:彼とは電話しか話したことがない。〔格助詞の脱落〕
正用:彼とは電話しか話したことがない。

1 この花は200円だけだった。        →*副助詞の選択の誤り
2 彼女はペットの犬(と)ばかり遊んでいる。
3 親切な彼は私の妹(に)さえプレゼントをくれた。 
4 石油はインドネシア(から)も輸入されている。


⑷ 3

誤用:母の作ってくれる料理恋しい。〔対象格「が」の誤用〕
正用:母の作ってくれる料理恋しい。

1 車の運転できない。
2 特別な許可要る。 
3 のどの痛みなくなった。 →*主格「が」の誤用
4 旅行するの好きだ。 


⑸ 2

誤用:両親はいつか先生に会いたいです。〔3人称の感情表現の誤り〕
正用:両親はいつか先生に会いたいと思っています。 

1 山本さんは彼がきっと約束を守ると信じます
2 はこれから図書館で勉強すると思います。  →*1人称の感情表現の誤り
3 木村さんは今日はちょっと疲れました
4 私が新しいパソコンを買ったので友達うらやましいです




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【平成23年度】 試験Ⅰ 問題3 (1)~(10)
平成23年度「日本語教育能力検定試験」
公益財団法人 日本国際教育支援協会

[問題3] ⑴~⑽


解答解説 一般社団法人 言語デザイン研究所(代表 泉 均)

A 【形式と意味】

⑴ 2
1 ○「旅行者/旅行社」は、形式も意味も異なる。
2 ×「エクスプレス/エキスプレス」の原語はexpress(急行)で、語形が違うが意味に違いはない
3 ○「ストライク/ストライキ」の原語はstrikeであるが、語形も意味も異なる。
    二重語と呼ばれ、glass→「グラス/ガラス」、machine→「マシン/ミシン」などがある。
4 ○「びよういん/びょういん」は、形式も意味も異なる。


⑵ 1
「たき(滝)」と「かき(柿)」の語頭の /t/ と /k/ など、
語と語の意味を区別する機能をもつ音声の最小単位を音素(phoneme)という。

⑶ 1
発話におけるアクセント、イントネーション、声の大きさや長短、リズム、ポーズなどを総称して
プロソディ(prosody)、または韻律という。

1 ○日本語のアクセントは、弁別機能統語機能を有する。
2 ×「話者の発話態度に関係せず」
3 ×「文の統語構造とは関係しない」
4 ×「文の情報構造が変わることがない」

⑷ 4
表音文字のうち、ひらがなとカタカナのように一字が一音節を表す文字を音節文字
ローマ字のように一字が一音素(あるいは一単音)を表す文字を音素文字という。

⑸ 4
1 ○「開ける/明ける」:音声は共通だが、文字(漢字)が異なれば意味も異なる。
2 ○「早い/速い」:音声は共通だが、文字(漢字)が異なれば意味も異なる。
3 ○「始め/初め」:音声は共通だが、文字(漢字)が異なれば意味も異なる。
4 ×「低い/安い」は、単に「高い」の対義語が二つあるというだけで、
    他の例とは関係が異なっている。



B 【対義語】

⑹ 4
「男でなければ女」「(抽選に)当たらなければ外れ」「出席でなければ欠席」のような関係を、
相補関係にあるという。

⑺ 2
「暑い/寒い」は、「暑くなければ寒い」とは限らない点が「男/女」とは異なる。
「暑くも寒くもない」という中間点から相反する方向に連続性をもつ語である。

従って「とても暑い」「少し寒い」といった程度副詞を伴って、いろいろな段階を表すことができる。

⑻ 3
「上り坂/下り坂」は、一つのものごとを異なる視点から捉えたものである。
他に「売る/買う」「貸す/借りる」「教える/教わる」などがある。

⑼ 4
1 ○ イ形容詞と名詞。
2 ○ ナ形容詞とイ形容詞。
3 ○ ナ形容詞とイ形容詞。
4 × ともにナ形容詞。・・・「品詞が異なるもの」のペアとしては不適当

「きれい」は、「_な花」「_に洗う」となるようにナ形容詞なので注意しておきたい。

⑽ 2
「コンテクストによって」とは、文の前後の脈絡から判断しての意であるが、
選択肢2の「見る」と「する」が、一方が成立すれば、他方が成立しない点で対義関係が読み取れる。

2以外の選択肢は「コンテクスト」とは関係なく読み取れる。





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【平成23年度】 試験Ⅰ 問題3 (11)~(20)
平成23年度「日本語教育能力検定試験」
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[問題3] ⑾~⒇


解答解説 一般社団法人 言語デザイン研究所(代表 泉 均)

C【接辞】

⑾ 3
(ア)「~まる」は、動詞性接尾辞で「弱‐まる」「高‐まる」などの動詞を作る。
(イ)「~み、~さ」は、名詞性接尾辞で「重‐み」「寒‐さ」などの名詞を作る。
    品詞が他の品詞になることを転成という。接尾辞がその働きをしている。

⑿ 3
 「お礼」の「礼」は、漢語なのでこれが例外である。

⒀ 4
形容動詞性接尾辞の「的」は、「現代‐的な」「印象‐的な」のように名詞をナ形容詞に変える。
また、「教育_見地」「大陸_風土」のように名詞を直接修飾する用法をもっている。

⒁ 4
1 ×漢語系の接尾辞「~系」は、派生語を作る造語力が強い。
2 ×和語系の接尾辞「~っぽい」は、近年、口語的要素に多く使われ、
   「ダメっぽい」「ガキっぽい」などのように造語力が強くなっている。
3 ×漢語系の接尾辞「~性」は、派生語を作る造語力が強い。
4 ○和語系の接尾辞「~めく」は、「春‐めく」「時‐めく」などで造語力が弱い。

通常、和語系の接尾辞は、漢語系の接尾辞に比べて造語力が弱いので、
選択肢2と4に絞って判断するとよい。

⒂ 1
・程度や規模が大きい場合は、「だい~」(「_豊作」「_洪水」など)と読む。
・質の高さや量の多さを表す場合は、「おお~」(「_一番」「_雨」など)と読む。


D【日本語と視点】

⒃ 4
1 ×「タイ語話す」→「タイ語話せる
2 ×「花生ける」 →「花生けてある
3 ×「水飲む」  →「水飲みたい
4 ○「ビール冷やす/冷やしておく」:格関係に変更が生じない。

⒄ 3
・能動文「--赤ん坊泣いた」
・受身文「彼は赤ん坊泣かれた」(間接受身文)
この受身文の「彼」はもとの能動文では「格成分になっていない要素」であり、
「泣く」のは赤ん坊であり、彼は間接の関係にある。

⒅ 4
受身文がテーマであるから、他動詞と自動詞に絞られる。
日本語では「雨が降る」→「雨に降られる」のように自動詞の文も受身にできる。

⒆ 1
英語は「事実志向」、日本語は「立場志向」といわれる。
日本語の場合は、どこに視点をおくかが大事で、「くれる」は、受け手に視点がある。
1 ○ 与え手*受け手(くれる)
2 × 与え手=与え手(あげる)
3 × 受け手=受け手(もらう)
4 ×

⒇ 1
問題文の表から判断することになるが、難問である。
1 ○
2 × 受身表現ではなく「もらう」が使える。
3 ×「くれる」が他者をガ格にできる。
4 ×「くれる」が話し手をニ格にできる。





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